本コンテストは終了しています。
佐賀県はマイカー社会
佐賀県は、「マイカー社会」といってよく、ほんの数百メートルの距離の買い物に行くときにもマイカーで行く、という人は多いです。休日ともなると、郊外のショッピングセンターにたくさんの人がマイカーで訪れますが、まちなかを歩いている人はそれほど多くはありません。駐車場にマイカーを止めるときは、混雑しているときでも、少しでも近いところに止めようとします。
「歩く」ことが健康によいことはわかっていますが、だからといって、皆が「健康のために歩こう」とする人ばかりではありません。
「歩く」ことを意識せず、「つい歩いてしまう」ことができるなら、健康にもなって、まちなかもにぎわって、みんながハッピーになれるのではないでしょうか。今回このようなことを実現する可能性を秘めた「歩くしかけ」の斬新なアイデアを募集しました。
受賞者決定
書類審査による1次審査とモラージュ佐賀で行われた公開プレゼンテーション2次審査により、総応募件数218件から受賞者が決定しました。
- 最優秀賞:「さんぽスムージー」望月愛海さん
- 優秀賞:「オーディオガイドとあるくシカケ@佐賀」小林遼さん
1次審査を通過したそのほかのアイディアは以下になります。- 「歩いて歩いて四季の草花 発見プロジェクト」山元美智子さん
- 「歩いて地上絵プロジェクト」池谷勇作さん
- 「0.1kcal movement」田中清明さん
- 「遠回り地図アプリ“michikusa”」板倉右京さん
- 「frame -「移動」から「活動」のための歩行空間の計画-」伊藤翼さん・宇田葉月さん・出口優樹さん
- 「人を楽しくナビゲートするマンホール "FUN NAVI hole"」吉井唯さん
- 「柵琴 fenceophone」徳久達彦さん
- 「落書きOKロード」田中琴子さん
- 「日本一?なが〜いマンガを読んでいるうちについつい歩いてしまう県」近藤敬子さん
- 「電信キャンバス」小林佑輔さん(公開プレゼン発表者:三浦拳利さん)
- 「SUPER COIN STEPS」徳久達彦さん
受賞アイディアの紹介
受賞したアイディアと2次審査に進んだアイディアを紹介します。
オーディオガイドとあるくシカケ@佐賀
オーディオガイドを聞いて美術館を巡る様子を、「景色」を見て歩くことに応用しようと考えました。地域の人がオーディオガイドの作成者となることで、企画に対する愛情や熱意を醸成し、持続可能な取り組みとなるでしょう。
歩いて歩いて四季の草花発見プロジェクト
佐賀は美しい平野のあるまち。その四季折々の野花を撮影して共有するアプリです。他の人が見つけた美しい草花を探す楽しみで、歩くのがもっと楽しくなります。
歩いて地上絵プロジェクト
スマホのGPSを使って位置情報を記録して、自分の歩いた道のりを地図上に映し出す機能をもつアプリです。歩いた道のりが地図上に絵として浮かび上がります。参加者同士で道のりを共有し、いい道順には評価がつき、道中の発見も共有します。
人を楽しくナビゲートするマンホール "FUN NAVI hole"
このファンナビホールには二方向で見え方が変わる突起があり、進行方向に何があるかを予感させます。 道にあるマンホールの量を活用し、歩けば歩くほどさまざまなマンホールの文字や柄が見えてくることで、冒険のような楽しさや謎解き感覚のワクワクを生みます。大人から子供まで、見つけたらあれなんだろう!あ!その先のはなんだろう!と気になってついつい歩いてしまう、そんなシカケです。
落書きOKロード
屋外に敢えて落書きをしても良い歩道「落書き OK ロード」を設け、道の始まりと終わりに「落書き OK」 の看板と、落書き用のチョークを置いておき、そこに訪れた人々に思い思いに落書きしてもらいます。
SUPER COIN STEPS
エレベーターやエスカレーターが設置されている建物の場合、階段は「端の方」にあることが多いです。そこで、目立たない場所にいいことがある!という提案です。階段にコインがあり、通過するとコインゲットの音がなります。
※掲載順は、受賞アイディアを優先し、他のアイディアは公開プレゼンテーションの発表順に準じています。
2次審査 公開プレゼンテーションの様子
募集概要
人々がつい歩いてしまう仕掛けのアイディアを大募集!
募集する内容
「人々が『つい歩いてしまう』仕掛けのアイデア」を募集します。
※募集は現在終了しています。
※ここでいう「仕掛け」とは本来の意味の「装置」や「しくみ」のことではなく、「仕掛学」に沿ったものを期待します(▶仕掛学とは)。
※アイデアは、ある程度、実施に移すことを想定した具体的なものとしてください。ただし、実施するための費用や制度的な調整等を応募者側で考慮する必要はありません。
賞
●最優秀賞(1点) 30万円相当の金券
●優秀賞(1点) 10万円相当の金券審査の流れ
1応募期間
21次審査
期間:2018年12月26日(水)〜2019年1月下旬頃
応募書類による書類審査。全応募の中から5〜10案程度を選定します。1次審査通過案については2次審査でプレゼンテーションを行っていただきます。
31次審査結果発表
日時:2019年2月6日(水)
1次審査通過者へ、応募時のメールアドレス宛に結果をお知らせします。4ブラッシュアップ・プレゼンテーション準備
日時:2019年1月下旬頃〜2次審査当日まで
52次審査(最終審査)
募集詳細
応募資格
どなたでも応募できます。(グループでの応募も可)
応募方法
アイディアをA4サイズの資料にまとめて、応募フォームより応募下さい。
※仕掛けのイメージ図(シカケの外観やシステム全体構成等)を含めたA4サイズ参考資料
※データ形式はPDF推奨ですが、JPEG等画像やパワーポイントやワードなどの文書形式でも可。
※5MB以内応募締切
2018年11月14日(水)〜2018年12月25日 (火) まで
選考方法など
- 1次審査 書類選考(全応募者の中から5~10名〈組〉選考)
- 2次審査 3/9 (予定)プレゼンテーションによる審査(佐賀市内で実施)
※1次審査通過された方は2次審査までにブラッシュアップすることが可能です。(ただし、内容そのものを変更することはできません。)
※2次審査において、シカケのプロトタイプ(試作品)等を補足資料として提出することが可能です。この場合、審査時に加点があります。
※2次審査時には佐賀までの交通費を支給します。(ただし1人分。限度額あり)審査基準
選考にあたっては、以下の4項目で審査を行います。
- 期待できる効果…シカケで「つい歩いてしまう」効果が期待できるか
- 独創性…シカケが独創的であるか
- 遊び心…シカケに遊び心があるか、楽しそうなシカケであるか
- 実現可能性…シカケは実現することが可能なものか
アイディアの取扱い
応募者が作成した文章、図、データ、動画等の制作物にかかる著作権、意匠権、商標権等の知的財産権は、作成した応募者に帰属します。応募にあたっては応募者の責任において必要な権利保護等の手続きをすることとし、知的財産権に関して生じた問題の責任について、主催者は一切の責任を負わないものとします。
主催者は受賞アイデアの全部または一部を利用した商品・サービスの企画及びそれを実現する権利を有するものとします。
受賞アイデアは、主催者の裁量により、全部または一部を公開し、各種媒体により発表することがあります。
応募されたアイデアが、第三者の知的財産権を侵害していることが判明した場合、または既に公表されているアイデアと同一もしくは酷似している場合、受賞結果発表後であっても受賞を取り消すことがあります。個人情報の取扱い
ご提供いただいた個人情報については、本コンテストの適切な運営のみを行うためのみに使用するものとします。 法令の規定に基づく場合を除き、ご本人の許諾なしに、それ以外の目的で個人情報を利用または第三者に提供することはいたしません。
一般参加OK
2次審査を公開プレゼン形式で開催します
イベント詳細
本イベントは終了しています。
応募は218作品!その中から1次審査を通過した13作品の公開プレゼン審査会を開催します。
日時:3月9日(土)
13時スタート
会場:モラージュ佐賀特設ステージ
当日は、 どなたでも自由にアイデアをご覧いただき投票できる、一般投票も行います。
投票していただくと、今話題のいちごさんや佐賀牛など豪華賞品がその場で当たる抽選会もありますのでぜひお越しください。
一般投票、抽選会は11:00~15:00随時受付中です。歩くまちづくりに対する仕掛学アプローチ
「歩いてください」ではなく「つい〇〇してしまうと、結果的に歩いていた」となるには
皆が歩きたいわけではない
「歩く」ことが健康によいと知っていても、普段の行動の中での「歩く」という行動の魅力が少なければ歩きません。歩いてくださいということを直接働きかけても難しいのはこのためです。
そこで、今回のコンテストでは「仕掛学」によるアプローチを目指します。
仕掛学とは
仕掛学というのは「ついやってしまう」を誘発する仕組みを捉える学問です。仕掛学でいうところの仕掛けとは行動変化を強制するのではなく、魅力的な行動の選択肢を増やすことで目的の行動に誘うアプローチをとります。例えば、ゴミ箱をただ設置してもゴミを捨てたくはなりませんが、ゴミ箱の上にバスケットゴールを付けるとゴミでシュートしたくなり、結果的にゴミ捨て行動が促進されます。仕掛学提唱者の松村先生の研究室では、さまざまな現場を対象にして実際に仕掛けを考案して製作し、実際の現場で実験し、効果の検証に取り組むことを通して、行動変容の理論と方法の構築に取り組んでいます。(▶ 松村研究室HP)
歩くしかけ、とは
では「歩く」という行動を仕掛学アプローチで引き起こすにはどのように捉えればよいでしょうか。
単純化して表現すれば、
・【ある仕掛け】を用意すればつい〇〇してしまい、結果的にその行動のために歩く量が増える
というふうに表せます。
ここで重要なのは仕掛けられる人にとっての目的と仕掛ける人にとっての目的が異なっていることです。これを仕掛学では目的の二重性と呼んでいます。
歩くという行動について考えると、仕掛ける側としては「歩く」という行動をとってほしいが、仕掛けられる側としては便利な移動手段の「車に乗ったり」、「動かない」ほうが都合が良かったりして、行動は変わりません。
ですが、ちゃんと仕掛けが設定できればそれがキッカケ(トリガー)となって仕掛けられる側は歩こうという直接の動機ではなく「楽しそうだな」「気になるな」という心の変化によって行動します。その行動が直接歩くことではなくとも、その行動に至るまでの過程で歩くという行動が含まれることで、結果的に歩く量が増えるような状態にすることができるでしょう。
仕掛け事例
The Fun Theory
自動車メーカーのVolkswagenは「Rolighetsteorin(The Fun Theory)」というプロジェクトを行っています。
このプロジェクトは「人々の行動をより良く変える最も簡単な方法とは、楽しくシンプルなことだ」という考えに基づいて仕掛けを実践しています。
ピアノ階段
Rolighetsteorinの中で、「つい歩いてしまう」に関連するのは階段からピアノの音が出るようにしたものでしょう。この仕掛けにより、エスカレーターではなく階段を利用する人が66%増えたそうです。
このように、まちの中の「仕掛け」でつい歩いてしまうような「歩くシカケ」の斬新なアイデアをお待ちしております。
主催:歩くしかけコンテスト実行委員会(佐賀県、佐賀大学)
主催を行う本委員会は、歩くまちづくりに資する環境構築に関する研究を行う佐賀県と佐賀大学医学部のチームで構成されています。コンテストを通じて、歩くまちについての知見を分野横断的に深め、また集積したアイディアを共有するることを狙っています。
審査員
1次審査(書類審査):
- 有馬 隆文 (佐賀大学芸術地域デザイン学部 教授)
- 西村 浩 (株式会社 ワークビジョンズ 代表取締役)
- 松村 真宏 (大阪大学大学院経済学研究科 教授)
- 飯島 玲生 (名古屋大学情報学研究科 特任助教)
- 中津 壮人 (マージテクツ)
- 江口 有一郎 (佐賀大学医学部 特任教授)
- 田﨑 茂樹 (佐賀県 地域交流部副部長)
2次審査(公開プレゼンテーション):
- 有馬 隆文 (審査委員長 ・ 佐賀大学芸術地域デザイン学部 教授)
- 西村 浩 (株式会社 ワークビジョンズ 代表取締役)
- 松村 真宏 (大阪大学大学院経済学研究科 教授)
- 江口 有一郎 (佐賀大学医学部 特任教授)
- 南里 隆 (佐賀県 地域交流部長)
佐賀大学医学部附属病院肝疾患センター
TEL:0952-34-3010
歩くしかけコンテスト 実行委員会 © 2018